NFCとFeliCa比較/違い

NFCとFeliCaは「かざすだけで通信ができる」といった利点から、おサイフケータイなど非接触でのキャッシュレス決済ができる電子マネーや、電車やバスで使用される交通系ICカードなどに利用されており、その技術は今や当たり前のように生活の中で活躍しています。機能ともに混同されがちですが、NFC=FeliCaではなく、この二つには明確な違いがあります。

「NFC」はNear field communicationの略で、近距離無線通信規格の一つです。周波数は13.56MHzを使用し、数cm~10cm程度の近距離で無線通信を行います。ソニーとフィリップスが共同で開発し2003年に「ISO/IEC IS 18092」として承認された国際標準規格です。また、国際的な互換性や利便性の高さが備わっており、機能の特長も注目されています。
NFCには複数の規格があり「TypeA」「TypeB」「TypeF(FeliCa)」「ISO15693」があります。
日本では「TypeA」はTaspoに利用されており、「TypeB」はマイナンバーカードやパスポート、「ISO15693」は通信距離が他のTypeに比べて長く、物流のRFタグが主な利用用途です。

一方、「FeliCa」はTypeFとも呼ばれ、NFCをベースに、ソニーが独自開発したセキュリティ機構や通信速度などの改良を加えた、非接触ICカード技術方式の名称です。つまり、NFCのなかの規格のひとつがFeliCaということになります。
国際的にはTypeAとTypeBが主流とされており、FeliCa(TypeF)は日本国内では主流となっていますが、日本とアジアのごく一部地域でしか利用されていません。

そんな、ガラパゴス化したFeliCaですが、データの処理速度の速さに強みがある特長を生かし、国内での利用例は非常に多く、上記でも述べた、おサイフケータイなどの電子マネーや交通系ICカードに加え、入退室のカードキー、社員証ICカード、航空チケット、電子申請、家電製品、など、多岐に渡っています。
また、高いセキュリティによって守られており、カードや電子マネー内の個人情報は、通信データの暗号鍵を相互認証する度に新しく生成されるため、不正なアクセスや成りすましを防げるといった特長もあり、幅広い用途で利用されている理由の一つです。

※「FeliCa」は、ソニー株式会社が開発した非接触ICカードの技術方式であり、同社所有の登録商標です。
※「おサイフケータイ」は株式会社NTTドコモの登録商標です。
※その他の会社名および製品・サービス名は、それぞれを表示するためだけに引用されており、それぞれ各社の登録商標あるいは出願中の商標である場合があります。

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